映画やYouTube動画でよく見かける、緑色の背景。
俳優さんが緑一色のスタジオで演技している映像を、メイキングなどで見たことがある人も多いと思います。
目がチカチカしそうなくらい緑色ですよね^^;
でも、私はあの緑色の背景を見て、ずっと思っていたことがあります。
「そういえば、なんで緑?赤や黄色じゃダメなの?」
気になっていたので調べてみたところ、緑が選ばれているのにはちゃんとした理由がありました。
この記事では、グリーンバックがなぜ緑色なのか、他の色じゃダメなのか、そして実際に使える色は何色なのかを解説していきます。
グリーンバックってなに?
存在を知っている人は多いかと思いますが、まずグリーンバックの仕組みを簡単におさらい。
グリーンバックとは、その名の通り「緑色の背景」のこと。
この緑の前で人物などを撮影し、あとから編集ソフトで緑の部分だけを透明にして、別の映像に差し替えるという使い方をします。
この技術を「クロマキー合成」と呼びます。
天気予報で、キャスターさんの背後に天気図が映っているのを見たことがありますよね。
あれもクロマキー合成の代表例です。
実際のスタジオには緑(または青)の背景があるだけで、そこに天気図を合成しているという仕組み。
つまりグリーンバックは、「ここを透明にしてね」とソフトに教えるための目印のような役割を持っているんです。
グリーンバックが緑色である3つの理由
では本題です。
なぜその目印が「緑」なのでしょうか。
理由は大きく3つあります。
理由1:人の肌の「補色」だから

これが一番大きな理由です。
クロマキー合成では、背景の色と被写体(人物)の色がはっきり違うほど、きれいに切り抜けます。
逆に色が近いと、輪郭がぼやけたり、体の一部まで透明になってしまったりします。
人間の肌は、赤みや黄みを含んだ色合いが中心です。
肌の色と正反対の関係(補色)にあるのが緑なんですね。
正反対だからこそ差がはっきりして、肌を残したまま背景だけをきれいに抜けるというわけです。
理由2:蛍光ペンのような緑が自然界にほぼ存在しないから
グリーンバックに使われるのは、蛍光ペンのような非常に鮮やかな緑です。
この「彩度の高い純粋な緑」は、実は自然界や人の身体にはほとんど存在しません。
肌は赤〜オレンジ系、髪は黒・茶・金、目の色もこの鮮やかな緑とはかぶりません。
つまり、「この特殊な緑=背景」とソフトが迷わず判断できるんです。
被写体の色と間違えにくいから、正確に背景だけを選んで透明にできる、というわけですね!
理由3:デジタルカメラが緑に強いから
少し技術寄りの話ですが、デジタルカメラのセンサーは、構造上もともと緑の情報を多く受け取れるようになっています。
そのため緑の背景は、青などに比べてノイズが少なく、明るくきれいに撮れる傾向があります。
これも、現在グリーンバックが主流になっている理由のひとつです。
他の色じゃダメなの?実際にクロマキーで背景に使える色は何色?

ここまで読んで、「じゃあ緑じゃないと絶対ダメなの?」と思った方もいるかもしれません。
結論から言うと、緑じゃなくても合成はできます。
ただし「どんな色でもいい」わけではないんです。
背景をクロマキー合成する際には、選んではいけない色があります。
他の色じゃダメな理由
クロマキー合成は「指定した色を透明にする」仕組みです。
そのため、背景の色が被写体(人の肌・髪・目・服)とかぶっていると、その部分まで一緒に透明になってしまうという弱点があります。
たとえば、赤い背景を使うとどうなるでしょうか?
人の肌は赤みを含んでいるので、背景と一緒に肌まで抜けてしまい、うまく合成できません。
黄色も肌の黄みとかぶるため不向きです。
つまり「他の色じゃダメ」というより、被写体とかぶる色がダメ、というのが正確なところなんですね。
実際に使える色は何色?

では、実際の現場ではどんな色が使われているのか。
代表的なものをまとめました。
- 緑(グリーンバック)…もっとも定番。カラーコードは #00FF00 が基本。明るく撮れて、ノイズも少ない。
- 青(ブルーバック)…緑に次ぐ定番。暗いシーンの撮影や、被写体に緑の小物・衣装があるときに使われる。#0000FF
- 赤・マゼンタ・シアンなど…理論上は使えるが、肌や一般的な被写体とかぶりやすく、実際に使われることは少ない。
緑と青の使い分けのポイントは明るさです。
緑は青より光を反射しやすいため、日中の明るいシーンでは緑のほうが被写体を明るく撮れます。
逆に、夜の暗いシーンなどでは、光の反射が少ない青が選ばれることもあるそうです。
そして何より大事なのが、「被写体とかぶらない色を選ぶこと」。
緑の服を着るならブルーバック、青い服を着るならグリーンバック、という具合に、撮るものに合わせて色を選ぶのが基本です。
個人的にはあんまりブルーバックを見たことがなかったので、緑以外の背景も使われているということを知った時、業界の秘密に触れた気がしてワクワクしました(笑)
グリーンバック撮影で気をつけたいこと

最後に、実際にグリーンバックで撮影するときに気をつけたいポイントを紹介します。
きれいに合成するには、撮影の段階がとても大切です。
背景とかぶる色の服・小物を避ける
先ほども触れたとおり、グリーンバックで撮るなら緑系の服や小物はNGです。
その部分まで透明になってしまいます。
アクセサリーやメイクの色にも注意しましょう。
たまーに、ライブ配信やテレビの生放送などでも、うまく合成ができなくて洋服が透明になってしまっているのを見たことがある人がいるかもしれませんが、あんなふうになってしまいます。
背景を均一に明るく照らす
背景の緑にムラや影があると、その部分だけうまく透明にならず、不自然な合成になってしまいます。
照明を当てて、背景全体ができるだけ均一な緑になるようにするのがコツです。
布や紙のしわ・汚れをなくす
背景の布にしわがあると、そこに影ができて色がムラになります。
撮影前にピンと張って、しわや汚れがない状態にしておきましょう。
被写体を背景から少し離す
被写体が背景に近すぎると、緑の光が反射して肌や髪が緑っぽくなる「色かぶり」が起きやすくなります。
少し距離をとると、この反射を抑えられてきれいに抜けます。
豆知識:手術着が緑や青なのも同じ理由

最後に、ちょっと面白い豆知識。
手術中のお医者さんが、緑や青の手術着を着ているのを見たことはありませんか?
あれも、実はグリーンバックと同じ「補色」の原理が関係しています。
手術で赤い血や臓器を長時間見続けると、赤の補色である緑や青の残像が視界にちらつくことがあります。
これは、同じ色を見続けた目が疲れて、反対の色(補色)が残像として見える現象です。
手術着をあえて緑や青にしておくと、その残像が紛れて目立たなくなるんですね。
グリーンバックは色の差を「目立たせて」切り抜くために、手術着は残像を「目立たせない」ために。
同じ補色の仕組みが、まったく逆の目的で使われているのは面白いですよね。
まとめ:グリーンバックが緑なのは偶然じゃなく、ちゃんと理由がある
グリーンバックが緑色なのは、なんとなく決まったわけではなく、しっかりとした理由がありました。
- 人の肌の補色で、はっきり区別できるから
- あの鮮やかな緑が自然界にほぼ存在しないから
- デジタルカメラが緑に強く、きれいに撮れるから
そして、絶対に緑じゃないといけないというわけではなく、青などの他の色も状況によって使い分けられています。
赤や黄色が不向きなのは、肌の色とかぶってしまうから。
大事なのは「被写体とかぶらない色を選ぶこと」でした!
気になったことは調べておくと、自分の知識も増えるし勉強にもなるので、今回のグリーンバックの件も、調べてみてよかったと思います^^
次に映画やYouTubeで緑の背景を見かけたら、「あ、これは肌の補色だから緑なんだな」と、ちょっと違った目で見られるかもしれません◎
ちむクリエイト|動画素材 
